エネルギー管理士(電気)の合格体験記
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エネルギー管理士のあーるです。
この記事では2022年に試験に合格したエネルギー管理士の体験記についてまとめています。
(免状を取得したのは2023年です)
勉強法や免状申請に伴う実務経験の証明方法など参考にしていただければ幸いです。
・エネ管は電験持ちが取りやすい資格
・免状取得には実務経験が必要
・選択問題で何を選ぶかが重要
資格の概要
エネルギー管理士はエネ管とも呼ばれる国家資格です。
一定以上のエネルギーを使用する工場または事業所で必要となる資格です。
それらの事業所ではエネルギー管理士の資格を持つ人から選任が必要と法令で定められています。
また、電験三種より少し難しく、電験二種より簡単であるため電験2.5種と言われることもあります。
合格率は30%前後と比較的高めですが、熱分野より電気分野のほうが難しいとの噂です。
(合格率は合算値であるため電気分野のみの値は不明)

電験二種を勉強中ですが、エネ管の知識が役に立つことが結構あります。
体感としては電験二種一次<エネ管<<<<電験二種二次くらいの難易度です。
(特に熱、電気化学、照明の分野はエネ管のほうが難しいと思います。)
問題の難易度は高いですが、過去問が通用しやすいため合格率が高く出やすい印象です。
エネルギー管理士の課目
エネルギー管理士は4つの試験課目があり、電験三種と同様に課目合格制度があります。
(課目合格の年数も同様に3年間です)
各科目60%以上正答で合格になります。

電験三種を持っている方はおそらく課目Ⅱ、課目Ⅲは勉強しなくても合格ライン付近までいきます。
また課目Iも過去問10年分くらいを一通りやれば、合格ラインまで行くと思います。
課目Ⅳが最難関です。一番準備が必要になると思われます。
課目Ⅳの選択問題
課目Ⅳは一部選択問題があり電気加熱、電気化学、照明、空気調和より2つ選びます。
私は、電気加熱と電気化学に絞ることにしました。
理由としては元々照明が得意でなかったことが大きいです。
また電気加熱と電気化学は比較的過去問で対処しやすそうだったのもあります。
特に電気加熱は似通った問題が出がちなので、こだわりがなければ選択することをオススメします。

照明と電気化学は好みで選んで良いと思います。
(可能であればどっちも対策していくのが一番です)
(空気調和はそもそも電験で扱わないため選択肢にありませんでした)
使用した教材
私が使用した教材は以下の2つで、電験三種持ちの方はこれらで十分だと思います。
・エネルギー管理士試験[電気分野]徹底研究 著:不動 弘幸
電験などでおなじみの不動先生の本です。
こちらを問題を解いていて分からない箇所があれば、確認するための辞書のようにして使用していました。
・エネルギー管理士(電気分野)過去問題集 オーム社
こちらの問題集を主に使用していました。
解説も非常に分かりやすく、合格するのに十分な問題集だと思います。
※私が受験したときは10年分の問題集でしたが、今は8年分になっているようです。
・電卓
電卓はこちらを使用しました。個人的にはかなりオススメです。
電卓選びで悩んでいる方はこれを買えば間違い有りません。
2千円から3千円と電卓にしては少々値が張りますが、他の資格試験(簿記、FP試験、電験2種、エネルギー管理士試験等)の際にも使用できます。
買ってから7,8年使用していますが、全然壊れないので助かっています。
免状の申請
試験合格後、自宅に合格の賞状と免状申請書類が郵送されてきます。
※賞状は免状とは別物です。
エネルギー管理士の免状申請には、1年間の実務経験が必要です。
私は合格時点で実務経験が1年経過していなかったため、書類を書いて保管していました。
エネルギー管理士の実務経験(公務員時代)
電気職の公務員時代にエネルギー管理士の実務経験を積んで取得しました。
私は施設の維持管理の業務をしており、主に契約事務が主体でした。
しかし、施設全館の空調設定および運転についてすべての権限を与えられていたため
実務内容に「空調調和設備」と書いて納付の払込票と合わせて免状申請を出しました。
また、数年前に事業所長の押印も不要になっているため署名だけでOKでした。
申請後2ヶ月程度で免状が郵送されてきました。
1年間実務経験を積む
ゴールデンウィークを挟んでいるためか、少々時間がかかった印象です。

ちなみに、エネルギー管理士の免状取得のための実務経験は結構ゆるめです。
事業所の規模は問われず、詳細な実務内容の資料も提出の必要がありません。
ただし、試験合格者に限った話で講習で取得する際はある程度の規模がある事業所でないと認められません。
体験記
難易度:
勉強時間:200時間 勉強期間:半年くらい私は2022年にエネルギー管理士を受験しました。
エネルギー管理士の試験は7月末頃に実施されるため1月頃から準備を始めました。
受験の動機としては前年に電験三種を取得したことで、その知識を活かせる資格としてちょうど良いと思ったからです。

勉強を開始する際に、まずは令和元年の試験問題を解きました。
(選んだ理由は特にありません。なんとなくです)
すると、課目Ⅱと課目Ⅲは合格ラインに達しているではありませんか。

電験三種合格者であれば同じ現象が起きると思います。
その他の課目については、以下の印象を持ちました。
・課目Ⅰ・・・10年分くらいを1通りやれば問題なさそう
・課目Ⅳ・・・かなり苦労しそう
注意点、困ったこと
エネ管の勉強で苦労した点としては有効数字の扱いが印象にあります。
電験三種受験者は√3は1.73、πは3.14で体に染みついています。
エネ管は有効数字がシビアな問題が多く、選択肢の番号ではなく数値で解答する問題もあります。
すなわち、計算方法が合っていてもどこかの桁が違うと×になることがあるということです。

一番印象に残っている過去問だと、πの有効数字を4桁で計算しないと不正解になる問題です。
なお、基本的には多めに桁数を取れば問題無いので、5桁くらいで計算していました。
(電験二種の受験を考えている方は、2次試験で有効数字が重要になるので練習だと思ってやりましょう)
また、エネルギー管理士試験の際に人生で初めて受験票を紛失しました。
本当は1週間前に連絡する必要があるのですが、気づいたのが3日前で顔が真っ青に。
慌てて試験センターに連絡したところ、当日本部まで来てもらえば大丈夫とのことで安心。
しかし、当日本部で再発行する際に15分程度待つことになり時間のロスとなりました。
(完全に私が悪いので、むしろ受験させてくれてありがたいの一言です)

皆さんは、受験票の取り扱いに気をつけてください!
勉強法
各科目ごとに10年分の過去問を繰り返し解きました。
課目ⅠⅡⅣは3周、課目Ⅲは2周程度だったと思います。
ただ、課目Ⅳは電動力応用の問題がかなり苦手で電気加熱と電気化学のみ勉強していました。

最悪、翌年課目Ⅳだけ受験することを考えていました
ちなみに、電動力応用は学生時代に大学受験をしっかりやっている方ならそれほど苦労しないと思いますが。。。
私は指定校推薦なのでとても苦労しました。
人生って勉強してないとどこかでツケが回ってくるものなんだなとヒシヒシと実感。
また、職場での昼休み中はテキストを読み込んでいました。
そして試験直前の1ヶ月間は課目ⅠⅡとⅢⅣを分けて毎日解いていました。
(所要時間1時間半程度)

このときは地方公務員をやっていましたがこの時期は参議院選挙があって本当に大変でした。
試験前日はここまで残していた前年の問題を模試として解き、合格ラインに達していることを確認。
安心して就寝しました。
試験当日
前述したとおり、受験票を紛失したため少し早めに会場に到着。
本部に向かい受験票を紛失し、事前連絡済みであることを伝え待機。
しかし、試験前で忙しそうにしており
なかなか再発行されず結局15分程度待って新しい受験票を受け取りました。
受験会場は大学の大きな講義室で100名以上入るような場所だったと思います。
時計は案の定無く、持ち込んだ100均のミニ時計をセット。
会場では、テキストを眺め最終確認を実施。
そして試験が始まりました。各課目の印象は以下の通りです。
・課目ⅠⅡⅢ・・・ほぼ例年通りで奇抜な問題もほとんど無く解きやすい
・課目Ⅳ・・・電動力応用で令和元年の類題が出題、電気化学がかなり難しい
正直なところ課目ⅠⅡⅢはほぼ印象になく、解きやすい問題が多かったと思います。
ただ4時限目になる課目Ⅱはかなり疲れ切っておりケアレスミスが多くありました。
(エネ管の電気分野は課目Ⅰ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅱの順で試験を受けます)
また課目Ⅳは、電動力応用の問題をほとんどやっていませんでしたが
たまたま勉強を始める前に解いた令和元年の類題が出題され点数を取ることが出来ました。
ただ、電気化学はかなり難易度が高く感じ、電気加熱ではミスを連発するなど不安な出来でした。
そして自己採点を帰宅後したところびっくりすることが起きました。
課目ⅠⅡⅢについては余裕を持って合格点でした。
しかし、課目Ⅳはマークした箇所を問題用紙にチェックし忘れている箇所が3カ所あり
それ以外の箇所で採点すると、1問正解数が足りないということが判明。
チェックし忘れた箇所のうち1問合っていないと不合格になる状況に。

私のエネ管の試験に関しては、受験票の紛失に始まりうっかりが多いです。
合否が分からないまま、試験結果発表日を待つことになりました。
そして試験結果発表日。
どきどきしながら公式サイトを確認。自分の受験番号を探し、発見!
合格していることがわかりました。
チェックミスした箇所のうち1問正解とすると点数は以下の通りでした。
課目Ⅰ 152/200(76%)
課目Ⅱ 110/150(73%)
課目Ⅲ 177/200(88.5%)
課目Ⅳ 121/200(60.5%)
課目Ⅲは非常に出来が良く、課目Ⅱは疲れからか少し点数が悪かったです。
課目Ⅳは本当にギリギリの合格。
自己採点すると電動力応用が70点で、熱と化学は50点となぜか勉強していない方で点数を稼ぐ始末。
(他の年だと熱と化学で80点くらい取れていたのでかなり悪かったです)
まとめ
・電験持ちが受験する際は有効数字に注意
・免状取得には実務経験が必要
・選択問題で何を選ぶかが重要
以上になります。
エネルギー管理士は電験三種持ちの方が次に目指す資格としてちょうど良いレベルです。
実務経験が得られる環境の方は取得を検討してみると良いと思います。
それでは。